2019年10月09日

施設が置かれている状況

 愛知県岡崎市にある社会福祉法人ライトが経営難を理由に静岡市内で経営する三つの特別養護老人ホームの閉鎖を検討しているというニュースがありました。(このような事態が生じることは充分に予見できたことであろうし、恐らく、第2、第3と閉鎖する施設が出てくると思います。)

 特養に於ける介護に係る人員基準に「3:1」というものがあります。入所者3人に対して介護職員が1人というものです。この数字だけを見ると充分に介護職員が配置されているように思われるかも知れません。しかし施設は365日24時間稼働しています。1日の労働者の労働時間は8時間です。1週間の内2日は公休日です(5÷7≒0.7)。要するに「9:0.7」、平均すると一人の介護職員で12~13人の入所者を介護することになります。しかも、祝日、有給休暇を一切取得しない条件で。
 特養での介護職員の勤務状況は早番、日勤、遅番、夜勤など各施設の状況により勤務シフトを工夫し業務に当たっています。夜勤帯の人員基準は25~30人を1人の介護職員が担当する事になります。ユニット型特養(1ユニット:10人)だと2ユニットを1人の介護職員が担当する事になります。1人でも熱発者がいたり、不穏な人がいると夜勤帯を担当する介護職員はてんてこ舞いする事になります。入所者が60人なら介護職員2人、100名なら4人の介護職員を配置する義務があります。労務管理をする立場にある者からすれば、夜間帯は少人数で対応しなければならないので、能力の低い者同士でペアを組ませることは基本的に避け、比較的能力の高い職員と能力の低い職員をペアにする確率が高くなります。そうすると、能力の高い職員に常に負担がかかる状況が作られ、辞めて欲しくない職員が離職していく可能性が高くなるというジレンマを抱える事になります。
 施設入所の相談窓口は、その施設の相談員が受け付ける事になります。もともと、相談員に配置される人ですから、基本的に愛想が良い人が殆どです。ですから、施設入所の相談に行って、窓口になってくれた人が愛想がいいからといってその施設がいいとは限りません。新しい施設はきれいですが、建物が介護する訳でもありません。また、臭いがする施設は良くないと言われる事がありますが、たまたま、オムツ交換の時間帯に施設を見学した場合には、どうしても臭いはあります。介護職員を募集してもなかなか人は来てくれません。他に働くところがなくて応募してくる人が多いという実態もあります。
 今の介護施設の置かれている状況で、”良い施設“を探すというのはあまり現実的ではないように思います。”酷い施設(某損保系列のベランダから高齢者を放り投げるような施設や、暴行が横行するような施設等)“を見分けるという意識を持つことの方が大切だと思います。
 一つの指標として、実際にケアに当たっている職員たちの表情が能面のような場合には、私なら自分の親をその施設に入所させる事はないと思います。

ケアプランふくしあ  木藤


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