2019年06月05日

性別

 チョークバスという魚は1日に20回もオスがメスに、メスがオスに性転換するそうです。その他にもその集団の中で優位に立つオスがいなくなると、No.2だったメスがオスに性転換する魚もいるそうです。

 以前、ダイオキシンやPCBといった内分泌撹乱物質(環境ホルモン)により、河川に生息する鯉のオスがメス化しているのではなかと言われていた事があったが、主原因は、当初疑われていたダイオキシンやPCBよりも、屎尿処理後の排水中に含まれる人の尿由来の女性ホルモンや避妊薬に含まれる合成女性ホルモンであることが判明している。
 性は状況によって案外揺らいでいる。

 私たちの性は性染色体が「XY」であれば「男」、「XX」であれば「女」という事になっている。性別が遺伝のみで決定するのであれば、性別の問題はもっとシンプルな現れ方をするのであろうが、性が遺伝とホルモンによる二重支配を受ける事と、人間の場合その時代が求める男らしさや女らしさといったジェンダーも絡まり、思いのほか面倒臭い。

 胎児の体は基本的に女性型であるが、「XY」を持った胎児は2ヶ月頃になると、Y染色体上にある遺伝子の働きで作られた精巣からテストステロンが大量に分泌され(アンドロゲンシャワー)、母胎内で「男性化」(精巣の陰嚢下降、陰茎の形成、脳の性差形成など)が進行し男児として産れてきます。

 妊娠を維持して行くのに必要な女性ホルモンの一種である黄体ホルモンにはアンドロゲン作用があります。凶悪な少年犯罪を起こした少年の中に、母親が流産を予防する為に合成黄体ホルモンを含んだ流産予防の注射を受けていため、胎児期に「超男性化」を起し過剰な攻撃性を持ってしまったのではないかと疑われるケースもあるそうです(現在の流産予防薬にはそのような副作用はありません)。
 女児も胎内にいる時から、母親の卵巣や副腎、また自らの副腎からの男性化ホルモンの影響を受けます。胎内環境の男性化ホルモン濃度が高いと、いわゆるおてんば娘になる。恐らくそれが強いと、体は女だが、心(脳の男性化)は男という状態が作られるのかもしれない。

 アンドロゲン(男性ホルモン)不応症といって細胞膜に先天的にアンドロゲンに対する受容体を欠損した新生児が10万人に1~5人くらいの割合で誕生するそうです。男性ホルモンに細胞が全く反応しないため、遺伝上は「XY」で男性であるが、母胎内で「男性化」することなく形は女児として産まれてくるため、当然、親も女児と思い女児として育て、そして本人も何の疑いもなく少女として児童期を過ごす事になる。しかし、歳頃になっても生理がないので診察したところ、実はアンドロゲン不応症が判明するという人がある一定の割合でいるということである。性の同一性とは何によって裏付けられるのであろうか。それまで生きて来た履歴によって形成されてきた内面的な性を単に生物学的な事実のみで決定できることなのか。ある国会議員の定義からすれば生産性のない性の持ち主という事になるのであろうか。
 国体維持や社会保障維持を意識して子供を産む親がいるのであろうか。子供を産まない人間が悪いという発言をする政治家は国体維持を意識して自分の子供を産んだのだろうか。それとも他人の子供だけに国体維持機能を押しつけているのだろうか。そもそも連綿と命が引き継がれてゆく新たな生命の誕生とは、本質的には人の理解(言語)の及ばない深遠な「事祝ぎ」であろう。それを生産性にしか結びつけて捉えられない国会議員がいて、そしてそれを擁護する国会議員が存在する。それを選んでいるのは国民である。現代社会に生きる人間が内包している病理の現れなのだろう。


             ケアプランふくしあ  木藤


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