2019年01月30日

脳の中の小人(ホムンクルス)

はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る

石川啄木の短歌です。まるで、官製デフレ制度の中で働いている介護業界労働者の現状を代弁してくれているような短歌に思えてきます??


(wikipedia)

上の図は有名なペンフィールドの「脳の中の小人(ホムンクルス)」です。脳内でボディーと対応している感覚野と運動野の比重を表したものです。
私たちは、視力という特殊感覚を介して外部情報の75%位を得ているらしい。その眼で手という脳の中で大きな比重を占めている部位をじっと見ている。内省とは養老孟司氏風にいえば脳内ループという事になるのだろうか。文学作品といえどもその作品が支持される為には生物学的基盤という裏打ちが必要なのだろう。手を脛に置換した場合この作品の共感性は一気に低下することは想像に難くない。

単語で表現されている人体(体表)の部位を列挙してみる。
頭、額、顔、眉、睫、瞼、眼、鼻、頬、口、唇、耳、顎、首、項
肩、腋、肘、掌、手、指、爪、拳
胸、脇、臍、腹、背、尻
股、腿、膝、脛、踝、踵、足

二字熟語で表現されている人体(体表)の部位を列挙してみる。
目頭、目尻、上瞼、下瞼、蟀谷(こめかみ)、小鼻、鼻孔、耳介、耳朶、口角、上唇、下唇、上顎、下顎、
腋窩、上腕、前腕、手首、手掌、
乳房、乳首、会陰、肛門、性器
背中
大腿、下腿、膝頭、膝窩、脹脛(ふくらはぎ)、足首、足底、足背
手指、親指、示指、中指、薬指、小指
このように文字からも脳の中の小人と言語化(意識化)は比例しており、人間が顔にこだわることが良く分かります。だから、自画像と言えば、画家はおそらく何の疑いもなく顔を描くのだろうと思う。別に脛を描がいてもいいはずだが、そのような脳の中の小人構造を持った画家はいないのだろう(仏像に於ける印相へのこだわりも無関係ではないと思う)。
 運動野に於ける手の領域の広さは、手の繊細(巧緻)な運動に対応している。脳血管障害で片麻痺になった場合、下肢に比べ上肢の機能回復が難しいのは、上肢は下肢よりはるかに複雑な動きをしなければならないからである。
 感覚野に於ける足(足底)の領域の広さは、直立歩行する人間にとって、足底(特に踵や親指・親指の付け根にメカノレセプターという感覚受容器が豊富に存在します)からの感覚入力が非常に重要だからである。単に、歩行やバランスを取る為だけではなく、脳幹網様体も刺激されるため意識を清明に保つうえでも足の裏のセンサーは重要な役割を担っている。認知症ケアに於いてユマニチュードの技法として、可能ならば立たせる、さらに、可能ならば歩行させるというのも足底への刺激を意識しての事であろう。看護師の紙屋克子氏が脳外傷から重度の意識障害になってしまい医療から見放されてしまった患者の意識回復を看護の力で回復させようとして実践していた、患者と一緒にトランプリンの上に立たち、バウンドによる上下運動を行うという技法も足底からの感覚入力を応用したものだろうと思う。紙屋氏は,「看護師に期待することは何ですか?」という質問に「やさしさ」と答える人がいると寂しくなると言っています。看護師に期待されるもの、それは、「プロフェッションとしての感性」つまり、「単なる人間としての豊かな感性」ではなく、「専門職としての研ぎ澄まされた感性」だと言っています。余談だが、精神科医の中井久夫氏は統合失調症の患者に於いても足の裏の清潔さを保ち、角化を解消することが大切であると指摘しています。それ程、足底からの感覚入力は重要なのである。

はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
そっと足音に耳を澄ます
一歩、もう一歩
自分の道を深めて行こう

            ケアプランふくしあ 木藤  


Posted by ふくしあ-セブンスマイル at 08:27コメント(0)
ケアプランふくしあ-居宅介護支援

2019年01月22日

セラピューテックケアって知ってますか?

 「治療力ある介護」と直訳されますが、触れる事(手当て)に簡単なテクニックを加えただけの技術的にはシンプルなもので、心のケアを目的としたものです。静かに寄り添い両手の温もりで老いや死の不安、寂しさを癒してさしあげるケアなんです。

優しく身体に触れるだけで「オキシトシン」という癒しホルモンが分泌され、不安やストレスを軽減し安心感や信頼度を高める効果があります。
「触れるケア」には色々ありますが、その中の一つセラピューティックケアはイギリス赤十字社から始まったもので日本に紹介されて十余年がたち、マタニティからターミナルまで行われています。認知症の方や介護に疲れている方にも効果があると言われています。道具などは使わないので被災地などでも支援が行われたたそうです。

セラピストの資格を取り、高齢者施設などに伺いケアをさせて頂くと、一番多く聞かれる声が「体がポカポカ温かくなったよ」です。「気持ち良くて眠たくなった」と言って実際に眠ってしまう方もいらっしゃいます。
ふくしあ春日部ではスタッフ、利用者様に体験してもらいました。
セラピューテック

触れ合うってこんな気持ちになるんだ・・・と施術してもらうと実感します。良かったらどんなケアか体験してみてくださいきらきら

              以上 ケアプランふくしあ 黒田でした

  


Posted by ふくしあ-セブンスマイル at 18:14コメント(2)

2019年01月16日

ノロウイルス

 急性胃腸炎を引き起こすノロウイルスが国際ウイルス命名委員会によって正式に命名されたのが2002年の夏だそうです。人の腸管でしか増殖せず、培養できないのでなかなか有効な対策や研究が進まないようです。(大阪大の研究チームが、iPS細胞から腸管上皮細胞をつくり、そこにノロウイルスを混ぜ、増殖することを確認した。という記事がH30.11にネット上に公開されていました。)
 主な感染経路はもともと汚染された食物の摂取(経口感染)によるものと、感染した人が調理中に手指等を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を食べたり飲んだりすることによる、手指を介した糞便の経口摂取(糞口感染)によるものがあります。その他、感染者の糞便・吐物およびこれらに直接または間接的に汚染された物品類に付着したものが乾燥後、埃として舞い上がり、それを経口摂取(塵埃感染)することで罹患する事があります。
 感染対策としては食品の加熱と手洗いが基本で、感染源(吐物等)に対しては次亜塩素酸ナトリウムによる消毒くらいしか手立てがないようです。ノロウイルスの感染力が強い事と、サイズが極小(38ナノメートル)な事も対策を難しくしているようです。(マウスによる動物実験でマイタケを食べさせると免疫力が高まり、体内のウイルスが減ることが確認されているそうです。)

 ノロウイルスを100万倍拡大するとほぼピンポン玉位(4センチ)の大きさになります。人体を同じく拡大するとほぼ本州くらいの大きさになります。対策の難しさを想像する事が出来ます。地球を100万分の1に縮小すると直径約13メートルの球体になります。人体を同じく縮小すると1.5~1.7マイクロメートルになります。ほぼ大腸菌レベルの大きさになります。地球環境(ガイヤ)からすれば人間は悪玉菌みたいなものなのかも知れません。さらに8分の1に縮小し地球をほぼ人体大位(1.6メートル)にすると、人体は約200ナノメートルくらいの大きさになります。ウイルスレベルのサイズです。ノロウイルスが人の腸管でしか増殖できないように、外部エネルギーを多量に必要とする人間の生存が、地球への絶対依存の上にしか成り立たない事を思うと、ノロウイルスと人間が機能的には相似しているように思えてきます。
 ノロウイルスに感染すると下痢と嘔吐により体内の水分が失われる為、乳幼児と高齢者は脱水症に注意しなければなりませんが、健康な成人が感染した場合には、いいデトックスが出来た、人間だって悪玉菌みたいなものなんだから“ノロちゃんありがとう”くらいの気持ちで同じ地球という生命圏で共存していけばいいじゃないかと個人的には思っています。

 消毒対策としては、基本的に嘔吐物や下痢便等で直に汚染された物(床や容器等)の処理には0.1%の次亜塩素酸ナトリウムで消毒、ドアノブや手すりなど人を介して汚染の可能性のある場所は0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで消毒する必要があります。
 市販されている家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)は5~6%位の濃度(次亜塩素酸ナトリウム)の物が主流のようです。これを使用して消毒液を作る場合の希釈は下記の方法で求められます。
・必要量(ml)×使用する濃度(%)÷原液の濃度(%)=原液の量(ml)
0.02%の消毒液を1000ml作る場合
1000×0.02÷5=4 即ち4mlの漂白剤に996mlの水を加えれば次亜塩素酸ナトリウム濃度0.02%、1000mlが作れます。
通常、ハイター容器のフタに入る量は25ml、ペットボトルのフタに入る量は5mlだそうです。

            ケアプランふくしあ 木藤
  


Posted by ふくしあ-セブンスマイル at 08:26コメント(0)
ケアプランふくしあ-居宅介護支援

2019年01月09日

新年を迎えまして

本年は年号も変わる特別な年きらきら
改めましてよろしくお願い申し上げます。

富士夕焼け

本当は初日の出を載せたいところでしたが、今年も起きれませんでしたface_07
皆様はどんな年末年始をお過ごしでしたでしょうか
朝晩は寒い日が続いていますが、比較的天気の良い日が続いています。
雪国で暮らされている方は大変ですね。年明けに北海道でも飛行機が何日も飛ばなかったり、ニュースで聞きました。

天気がいい日が続いても、乾燥した毎日で、インフルエンザや子どもたちもリンゴ病が流行しているとかface_08
インフルエンザは、高齢の方が発症すると重篤になることも多いです。
そこで、予防接種に加え、かかりにくい体づくりが大切。
そのために、『免疫力を高める』ことが大切なことだと思います。

免疫力を高めるためにはいろいろあるとは思いますが、今日はいくつか紹介します

1、質の良い睡眠をとる。お昼寝や、休憩中の仮眠など短時間でも上がるとの事です。
2、腸内環境を整える。これは食品で、乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖を含む食品をとる事がいいようです。
3、そしてこれが一番のお薦め「笑う」
どうして笑うことがいいのでしょう?それは「ストレス解消」になるからですって。よく笑って、ストレスを吹き飛ばして、
免疫細胞を活性化させる。その他自律神経のバランスを整えることにも役立つそうです。
4、もう一つは、体温を高める。体を冷やさないように、入浴する、適度な運動をするなど36、5°以上の体温を保つ
よう心掛けることもいいようです。

いかがでしょうか?
これからまだまだ厳しい寒さが続くとは思いますが何とか乗りきっていきましょう。

 ケアプランふくしあ檜木が担当しました。


  


Posted by ふくしあ-セブンスマイル at 09:39コメント(2)
ケアプランふくしあ-居宅介護支援